さらば原チャリ野末号

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相棒野末号は17歳の時に中古で買って以来ず~っと7年間を共にしてきた言わば戦友である。
この日私はいつものようにバイト先へ行くために原チャリを走らせていた。確かになんとなく嫌な予感はしていた。
さっきまで雨が降っていたのか地面は濡れていたし、もう7年も乗り続けて満身創痍で、バイク屋さんでも修理不能と言われていた。
それでも私はこいつの最後を見届けるまでは乗り続けようと誓っていたのだった。
庄内から十三へ向かうため国道176号線を走っていたが、今日も176は混んでいた。それも先のほうで工事をしていたためだった。
ここは原チャリの強みとばかりに工事してるギリギリまで空き車線を走って合流しようと思っていたが、これが仇となるのだ。
空き車線を走っていたら急に横から車が強引に割り込んできた。
「あぶねーなぁ・・!」
と思った瞬間、おそらく工事してることを知らなかったであろうその車は私の目の前で急ブレーキをかけたのだ。
「!?」
次の瞬間慌てて急ブレーキをしたが、路面は十分に濡れていて気がつけば私は道路に倒れていた。
そして走り去る車。
なんとか起きて原チャリを側道に寄せたが、しばらく痛みがひかなかった。少し落ち着いてエンジンをかけようとしたがもうかからない。
こんな幕切れになるとは予想もしなかったが、今まで長い間ありがとう野末号。お疲れさま野末号。


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